コラム 大坪信之のワンポイント徳育アドバイス

2014/01/514 ミクロの世界から見たあなた

今回からは「ミクロの世界から見たあなた」と題してお話ししていきましょう!

あなたの体を細かく細かく見ていくと、原子というものからできています。
そして、ミクロの世界では、宇宙におけるすべての物は同じ原子からできています。
あなたも、他の生物も地球も太陽もすべて同じ原子でできています。
今のあなたの体は、以前ある人の体を作っていたものもあるでしょうし、爆発する前のある星だったものもあります。

前回もお話ししましたが、鉄は地球の大きさでは作ることができない物質です。
地球よりもっと大きな重たい星でないと鉄はできないのです。

もともと地球は宇宙にちらばっていた宇宙のチリが集ってできました。
そのちらばっていたチリの中に鉄を作った大きな星が爆発したときのかけらが含まれていたので、地球に鉄分があります。
そして、みなさんの身体の中にも何らかの形(食べ物など)で地球から取り出した鉄分があります。
その鉄分は宇宙を循環している鉄の原子なのです。

お分かりいただけたでしょうか?
少し難しく感じるかもしれませんが、とてもおもしろいですよね!

さて、あなたの中の鉄分は地球で作られたものではありません。
あなたの体の中の鉄分は、地球よりはるかに大きな星の中で作られ、その星が爆発したかけらが、地球ができるときに含まれていたために地球上に存在している物質です。
そして、その鉄分は原子としては変わらずに、何十億年も様々に形を変えながら存在し続けています。

また、あなたの体を作っている炭素原子は、二酸化炭素になり体の外に出て、回りまわってあなたの身の回りの紙の原料となった植物に吸収されていたかもしれません。
以前あなただった原子は、あなたの横にある本の1ページになっているのかも知れないのです!
あなたはびっくりするかもしれませんが、以前のあなただった原子がその紙に含まれている可能性は、十分に考えられるのです。

というのも、原子というものは大変小さいものなのであなたの体からとてつもない数の原子が出入りしているからです。
原子がどのくらい小さいのかなんて、想像もできないですよね。

例えば、原子がどのくらい小さなものかというと、海の水をコップいっぱいすくってその原子すべてに“しるし”をつけてまた海に戻したとします。
そこで、海全体をかき回してきれいに混ざったところで、またコップいっぱいの水をすくってみると、“しるし”のついた原子が数十個は入っている計算になるのです。

原子は、身体から出たり入ったりしています。
お風呂に入ると、みなさんの身体の中の原子はおふろの水の原子と入れ替わり始めます。
原子の直径は1億分の1センチメートルです。
1cc(1cm四角の立方体)の水滴を仮に地球大に拡大してみると、水滴中の原子の大きさは野球のボール大に見えます。

原子は原子核と電子からできています。
原子核の直径はその原子のさらに10万分の1で、10兆分の1センチメートルです。
原子核と電子の距離は、もう想像もつかない世界ですが、コンパクトディスクでたとえてみると、原子核を12cmのコンパクトディスクとして地面に置くと、6kmはなれたところを電子が回っていることになります。
したがってその6kmの距離の間には何もありません。
ミクロの世界では物質はスカスカだということができます。

あなたは、体のことを切りはなされた自分だと思っているかもしれませんが、このことを考えていくとあなたも宇宙も一つであるという感覚がつかめてくるのではないでしょうか。

───サン=テグジュペリ(「星の王子様」作者)の言葉───

物事を正しく見ることができるのは、心で見るときだけ。
大切なことは目に見えないんだよ

コペル 代表 大坪信之