コラム

2015/01/1430 “子育てホルモン”ってなんだろう?

出産直前から直後の女性の体内には、「オキシトシン」というホルモンが大量に分泌されています。
このホルモンは古くから子宮を収縮させて陣痛を促進させる役割を持っていることがわかっているのですが、最近ではそれ以外の役割として“抱きしめホルモン”としての作用も持っていることが明らかになってきました。

母親の体は出産を経ると、「オキシトシン」の作用によって母乳の分泌が促進されます。
そして同時に「オキシトシン」によって、精神状態が落ち着き、子どもを抱きしめたり、なでたり、ほおずりしたりしたくなるのだそう。
これが“抱きしめホルモン”と呼ばれる理由です。

さらに「オキシトシン」には、母親のストレスを和らげる効果もあるのだとか。
データ上でも、母乳を与えている母親の体内ストレスホルモン量は、母乳を与えていない女性の半分しかないことがわかっています。
女性の脳は、出産と授乳を経ることによってストレスに強い状態へと変化していくわけなのです。

母乳の分泌を促進するホルモンには「プロラクチン」というものもあります。
これは別名“子育てホルモン”と呼ばれるもの。
乳児が母乳を吸うほどに母親の脳にサインが送られ、「プロラクチン」の分泌量が高まっていくのですが、その分泌量が高まることによって、母親の恐怖心や不安が抑制される効果もあるのだそうです。
この“子育てホルモン”の作用によって、万が一のときでも母親が自分自身の危険を顧みずに子どもを守ろうとしたり、堂々とした態度を取ったりできるようになると考えられています。

母親の体は出産を経ると、子どもとの触れ合いや絆を生み出し、同時にストレスを抑える“抱きしめホルモン”と呼ばれる「オキシトシン」や、そして子どもを勇敢に守るために恐怖心を拭い去る“子育てホルモン”と呼ばれる「プロラクチン」の分泌が促進されます。
これらのホルモンによって、女性の脳は強くて優しい母親脳へと生まれ変われるわけなのです。

女性は出産を経るとホルモンの影響によってストレスや恐怖心に対する耐性が高まり、精神的な強さを身につけることができます。
つまり女性は母親になることで、鋭い感性とストレスや恐怖に対する強さを身につけ、繊細かつ寛容な“子育てママ脳”を手に入れるようになるのです。

一方の男性も、女性ほどの歴然とした変化はないものの、子育てを経験することによって脳の状態が変わっていくことがわかっています。
妻の妊娠中、多くの時間をそのそばで過ごした男性は、妻の出産を経ると男性ホルモンの「テストステロン」の分泌量が通常の3分の1程度に減少するのだそう。
これによって男性ならではの競争心や攻撃性が抑えられ、脳内は心優しく落ち着いた“子育てパパ脳”に生まれ変わるのです。
この状態は、父親が子どもと長く触れ合えば触れ合うほど続いていくといいます。

子どもを授かることによって、母親も父親も、脳内の状態がガラリと変わります。
きっとその変化は、新しい自分自身に出会う大きなチャンスでもあるはずです。

—————————ロック(イギリスの哲学者)の言葉———————

生まれたばかりの人間の心は
タブラ・ラサ(何も書かれていない板)であり、
その上に経験によって知識が刻み付けられていく。
人は生まれながらの生得観念を持たず、
全ての観念は生まれてから得られたものである。

コペル 代表 大坪信之

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