コラム 大坪信之のワンポイント徳育アドバイス

2017/05/2058 ポジティブな気持ち、ネガティブな気持ちが記憶力を左右する(2)

前回の続きです。

また大事な人が幸せになってほしい、自分のためでなく、誰かのためを思うことは、自分の脳にもよい影響を及ぼします。

そのようなときに放出される「オキシトシン」は、病気を治す天然の妙薬ともいわれます。健康にも良いというわけですね!

したがって、心の底から人々の幸福を願っての利他行動は、誰にほめられなくとも、幸福感や健康が得られるというわけなのです。

見返りを求めない世のため人のためになるような利他行動こそ、最も大きく、持続的な幸福感に結びついています。

ところが、同じ刺激の繰り返しは、「慣れ」になり、分泌量は減っていきます。波風の立たない日々の連続では、脳にとっては何の感動もなく衰えてしまうということなのです。

本来、脳は何らかの目標を達成することで、大きな喜びを感じるという性質があります。困難な目標を達成した時ほど、大きな喜びを感じますよね!

平穏無事な人生より、小さな目標を達成し続ける方が、それを乗り越えるたびに深い幸福感を感じることができます。脳にとっての幸せとは、静的・安定的・固定的なものではなく、「変化のダイナミズム」の中にあるのですね。

京都大学藤井聡教授は「他人に配慮できる人は運がよい」という論文を発表しました。「利己的な傾向を持つ人は、主観的な幸福感が低い。」のだそうです。

「配慮範囲」の広い利他的な志向を持つ人は、よい人間関係を持続できるから、運の良さとして現れるとのことです。

子ども達の幸せのために“世のため人のためになる”ことの大切さを教えましょう!

コペル 代表 大坪信之