コラム 大坪信之のワンポイント徳育アドバイス

2014/01/510 “無意識”と“心理的限界”の関係って?

「火事場の馬鹿力」という言葉がありますね。
人間は土壇場で普通では考えられないような力を発揮することができるという意味です。
人間の腕の力を電気的に計ってみると、平均的な男性の最大筋力は700kgあるそうですが、実際に持ち上げられる平均は65.4kgです。
どうして人間は、いつでも100%の力を出すことができないのでしょうか?

その原因は、“心理的限界”です。
心理的限界と呼ばれる、「自分の力はここまでだ」という限界を自分の無意識の中に作ってしまっているからです。
「火事場の馬鹿力」とは、危機的状況の中で、自分が無意識に作っていた心理的限界を忘れてしまい、それ以上の力が出てしまったという状態なのです。

このことからも分かるように、あなたの心の奥の無意識の部分への理解が、潜在能力を使えるようになるための鍵なのです!
つまり、心理的限界を取り除けば、いつでも潜在能力を発揮することができるというわけなのです!

では、“無意識”が持つ力とは、具体的にはどのようなものなのでしょうか?

フランスの診療師エミール・クーエは、患者さんに、
「わたしは、日ごとにあらゆる点で良くなっていきます。どんどん良くなっていきます」
という様なプラスの言葉を、心を込めて毎日20回以上唱えさせると、本当に病気が治ってしまうということを発見しました。
実際、村上和雄筑波大学名誉教授は、吉本興業と共同で「笑いが病気を治す」という研究結果を発表したほどです。

さらにクーエは、無意識と普通の意識についての研究をかさねました。
その結果、氷山のように水面の上に出ている部分(普通の意識)より、水面下にあるため見えない部分(無意識)の方が影響力が大きいということに気づきました!
人間の“無意識”の部分は、その能力に多大なる影響を与えているのです!
そんな無意識をそのままに眠らせておくのはもったいないですよね。

例えば皆さんも小学生の頃、跳び箱のこの段以上は無理だと思っていた時は跳べなかったのに、誰かが軽々と跳ぶと、無意識の心理的限界がなくなり、跳べるようになったというようなことがなかったでしょうか。
本当は跳ぶ力を持っているのに
「この段は跳べるわけはない」
と無意識が想像するので、普通の意識が跳ぼうといくらがんばっても、想像の力が勝ってしまうのです。

このように、「普通の意識」と「無意識」が違うことを考えても「無意識」が勝ってしまうのです。
あがらないようにしようと思えば思うほどあがってしまう、という経験はありませんか?
このようなことは、「努力逆転の法則」と呼ばれます。

したがって、普通の意識と無意識が反対の方向を向いていると、
「努力すればするほど逆の結果になってしまう」
ということになります。

心理的限界をなくすためには、意識と無意識が同じ方向を向いている必要があるのです!

お分かりいただけたでしょうか。
“無意識”の持つ力への理解が、潜在能力を発揮する第一歩となります。
心理的限界をなくし、無意識をコントロールすることが、100%の力を発揮するためにとても大切なことなのですね!