コラム 大坪信之のワンポイント徳育アドバイス

2014/11/1428 子どもの行動を変える効果的な叱りかた

ほめることや感謝の気持ちを表すことは日頃意識して口にすることでできそうですが、注意したり叱ったりするとなると、親としても感情が高ぶってしまうこともあり、つい「ダメ!」とか「〜しなさい!」という言葉が咄嗟に出てしまいがちです。
一体どう叱ったらいいのか分からない、叱っているのに全くその行動が改善されず、いつも同じことを繰り返してしまう、というケースもあるでしょう。

普段、子どもに注意をする時や叱る時、どのような言葉を使っているでしょうか?
例えば、2〜3歳の幼児が調理中の台所に入ってきて調理器具などを触ろうとした時、

1.「危ないから、お母さんがお料理している時は台所に入らないで向こうに行っててちょうだい!」

子どもが友達を叩いているところを目撃した時、

2.「お友達を叩いちゃいけないでしょ! 謝りなさい!」

子どもが遊び終わった玩具を出しっぱなしにして片付けようとしない時、

3.「片付けなさい! どうしてあなたはそうだらしないの!」

こんな叱り方をしてはいないでしょうか?
どれも日常使ってしまいそうな言葉ですね。

以前、 「役に立つほめ方」の中でも紹介しましたが、上記のような言葉はすべて「あなた」が主語の表現の「You(あなた)メッセージ」です。

「あなたはあっちへ行ってなさい」
「あなたが叩いたことはよくない」
「あなたはだらしない」

これらはすべて相手のことや行動を審判している言葉ですから、いくら相手が子どもであっても、相手は不快な気持ちになるのです。
それでは、どのような表現にして子どもに伝えるのが いいのでしょうか?

そう。
ほめ方でも使った「Iメッセージ」、つまり「私」が主語の表現で
「お母さんはこう感じたよ」
という表現方法に変えて心情を伝えるのです。

なお、この時の感情では「怒り」を出してはいけません。
感情を素直に出すというのは、あくまでも第一感情のことであり、
「心配だ」
「大変だ」
「悲しい」
「困る」
というような、出来事に対して真っ先に出た感情のことを指します。
「怒り」の感情というのは、その第一感情の後に現れる第二感情であり、出来事やその影響に対する受け取り方によって発生するものです。

子どもは、親が困っている時には助けてあげたいと思っているものです。
素直に感じたままの第一感情を「Iメッセージ」で伝えることで、その場限りではなく、子ども自らが自発的に行動を変えようとするようになるでしょう。

コペル 代表 大坪信之