コラム

2014/01/512 カントを支えた母の愛

ドイツの哲学者・思想家であり、ドイツ観念論哲学の祖として世界にその名を知られるイマヌエル・カント。
彼の輝かしい功績は、母アンナの思い出に支えられたものであったと言われています。

カントは1724年に馬具職人の子として生まれました。
カントの家庭は経済的には裕福ではありませんでしたが、立派な両親に囲まれた恵まれた幼年時代であったと言えます。

母親のアンナは熱心なキリスト者で、聖書の教えを守りながら彼を立派に育て上げたそうです。
また、カントの母親は、典型的なドイツ女性であったと言われています。
自分自身はきちんとした教育は受けていませんでしたが、自然とのかかわりの中で息子に多くのことを教えました。
草花の名前を教えたり、一緒に夜空を見上げたり……。
こんな小さな思い出の数々が、彼に大きな影響を与えたそうです。
興味ぶかいですよね!

そして、敬虔で慈愛に満ちた母アンナの生きる姿は、カントの道徳観に大きな影響を与えたと言われています。

カントは道徳的な義務に忠実であることを、生涯を通じて体現した人でした。
カントの名言の中にはこんなものがあります。

「いよいよわたくしが、賛嘆と畏敬してやまないものは、天上に輝く星座と、わが内なる道徳律」

この名言からは、母と築いた幼年期の思い出が彼の心に深く根ざしていることがよく分かります。
そして、母から受け継いだこの道徳観はその後の彼の哲学の発展を支えていったと言われます。

カントは、「暖かく、清廉で、愛情深く、しかも敬虔な優しい母」であったと母アンナを振り返りました。
そして、彼女の教育こそがカントの心に生涯を通じて不変の神への深い信仰を育ててくれたと語っています。
ここからも、母アンナの存在が彼の中でどれほど大きなものであったかがわかりますよね。

心優しく賢い母であったアンナは、数々のきらめく思い出を残し彼が13歳の時にこの世を去りました。
人生を駆け抜けた彼女が彼と過ごした13年間という年月は、決して長いとは言えません。
しかし、彼女が生きている間に彼が教えられたことはあまりにも多く、カントの後の生涯に大きな影響を与えることになったと語り継がれています。

カントは自分の幼い日の頃について多くを語らなかったそうですが、母のことについてはいつも愛情をこめて話していたそうです。

「母のことは一生忘れることができません。
私の胸に初めて善のたねをまき、それを育ててくれたのは母でした。
また自然のさまざまなものについて私の心を向けさせ、いろいろと教えてくれたのも母でした。
母の影響は、生涯、私から消えないでしょう」

「偉人の背後には偉大な母がいた」とはよく言ったものです。 歴史に名を残す偉人の一人として数えられるようになった彼の功績は、母の優しさの思い出に支えられていたのですね!

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