認知行動療法による子育てとは

認知行動療法による子育てとは
認知行動療法は考え方を変えることによって日常のストレスを減らすことを目指す心理療法です。
言わば「ものは考えよう」ということわざを心理療法化したものです。
認知行動療法は、問題行動を引き起こす考え方に働きかけて行動を改善させます。
例えば「自分はダメ人間だ」などの考え方のゆがみがあるとします。
絶対的なダメ人間なんていませんよね!
ところが、セルフイメージが「自分はダメ人間だ」となるとダメ人間の様にふるまってしまいます。
そのゆがみを合理的な考え方に変えることで問題を解決します。
不安やストレスの悪循環に陥る考え方のクセ
不安やストレスを感じたとき、すぐに気持ちを切り替えられるといいのですが、そうすることが難しく、ネガティブな気持ちになってしまうことがあります。
そうなると、前向きな気持ちになれず、ますます不安やストレスが大きくなるという悪循環に陥ってしまうかもしれません。
同じできごとに対して、気持ちが落ち込む人もいれば、気にせずにあっけらかんとしている人もいます。
それは「考え方のクセ」でそうなってしまうのです。
出来事そのものには意味がないのに「考え方のクセ」でその出来事に良い悪いの意味づけをしてしまうのです。
認知行動療法による前向きな感情への変換とは
認知行動療法では、できごとの受け取り方を意識的に変えることで、「感情」を前向きなものへと変えていきます。
ストレスを生み出す考え方のクセは「落とし穴」と呼ばれます。主なものを紹介します。
(1) 悪い予測がエスカレート
自分で悲観的な予測を立てて自分の行動を制限し、予想どおりに失敗してしまう
(2) 白か黒か,全か無か
少しでも不満があると「何もかも台無し」と極端な結論にたどり着き、物事を柔軟にとらえられない
(3) 悪いところしか見えない
失敗した部分など物事の悪い面ばかりが目につき、落ち込んでしまう
(4) 何でも自分のせいと考える
まわりのよくないできごとを必要以上に自分の責任と感じて、自己嫌悪に陥る
(5) 勝手な決めつけ・思い込み
「私は嫌われている気がする、だから努力しても無駄だ」など、自分の感情を“真実”を証明する根拠として使ってしまう
(6) 自分を縛り付ける考え方
人は~すべきだ,…でなければならない,など厳しい要求水準を作り上げて自分に適用してしまう
(7) 極端な一般化
数少ない事実から「一度だってうまくいったことがない」「いつも決まってこうなる」と考えて落ち込む
非合理的ビリーフの合理的ビリーフへの変換
この様な考え方は非合理的ビリーフと呼ばれます。合理的でない誤った思い込みという意味です。
多くの人は、【できごと】の結果として自動的に【感情】が生まれると考えています。
「友人から嫌なことを言われた」結果として、当然のことながら「悲しい気持ちになった」といったようにです。
しかし、本当にそうでしょうか。たとえ嫌なことを言われても、
「おかしな人だなー」
「あの人の言うことは的外れだから気にしない」
「他の友人は否定してくれるはずだ」などと考えたとしたら、悲しい気持ちにはならないでしょう。
このように、【できごと】に対する【認知や思考】の多様性(さまざまな選択肢)に気づくことで、少し楽な【感情】に気づくこともできるのです。
子どもがこのようなストレスを生み出す非合理的ビリーフを持っていることに気づいたら合理的ビリーフに変えてあげましょう!