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社会性を奪ってしまう、ラケット感情とは

社会性を奪うラケット感情とは
人間のノイローゼの一番大きな原因はダブルバインドと言われる行為だと言われています。
ダブルバインドとは対応が読めないこと、同じことをしてもあるときは微笑みに迎えられてあるときは怒られるとなると人間は悩んでしまいます。
しつけで一番重要なのは一貫性だといわれるのは、ダブルバインドを避けるということなのです。
子どもには我慢も教えなければなりませんので、これをやったら許されないという決まりを創ってあげることはお互いに助かります。
一貫したルールが子供の我慢を育む
コペルではファミリーダイアログで我が家の法律を創っています。
例えば子どもがこれが欲しいと頑なに言ってくると困ってしまいます。ある時は買わない理由を伝えて我慢を促したり、ある時は甘やかして買ってあげたりすることもあるのではないでしょうか。
子どもは「前回は買ってくれた(実際には、親がおねだりに根負けして、仕方なく買った)」、「でも今回は買ってくれない」という親の対応の違いを、十分に理解することができません。
少なくとも子どもには、「怒ったり悲しんだりすれば買ってもらえる」というような経験をさせない方が、今後の対応がしやすくなります。
偽物の感情、ラケット感情とは
心理学では、ラケット感情という言葉があります。これは偽物の感情という意味で、好ましくない状況になった時に出てくる感情のことです。
例えば、怒ったらいうことを聞いてくれた、大泣きしたらいうことを聞いてくれたという経験があると「そうか、困ったら怒ったらいいんだ!泣いたらいいんだ!」などと子どもながらに戦略を身に着け始めます。
そして、これは大人になっても影響を残してしまい、社会的におかしな行動をとってしまうことになります。
したがって、大人になった時におかしな行動をとらないようにするためには、子ども時代に泣いたり怒ったりしても良いことはないんだということを教えてあげる必要があります。
ファミリーダイアログで子どものルールづくりを見守る
コペルで実践しているファミリーダイアログでは全員意見が一致しないとルールを決めないということとしています。
すなわち、ファミリーダイアログで決まったことは子ども自身が決めたことであるということです。
親の役割は、子ども自身が決めたことを守ることができるように見守ってあげるというスタンスです。
最近は、過干渉は育児放棄と同様の虐待だと認識され始めました。子どものことを無視するという意味では同じ傷を与えるというのです。
ついつい、子どもは未熟な存在ですので干渉して助けてあげようという想いが先行してしまいがちですが、子どもに失敗させてあげることさえも重要な教育です。
子どもの人生はまだまだこれから長く続くのですから、子ども自身が決めたことを太陽のように暖かく見守ってあげるという対応を心掛けてあげてください。