幼児教育お役立ち情報

2016/07/15

幼児教育に成功する母親が行っていること、行っていないこと

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社会学者のサラ・マクラナハンによれば、どんな家庭に生まれるかによって子どもは「運命の分かれ道」に直面するそうです。

教育的に恵まれた家庭に生まれた子どもは、経済的にも認知能力的にも有利な環境を得られる可能性が高く、恵まれない家庭に生まれた子どもはそれを得られる可能性が少ないというのです。

子どもの能力を決める要因としては、子どもが育つ社会的環境、特に家庭に目を向けることが必要とされはじめました。

高学歴な母親が行っている幼児教育

アメリカの子どもが貧困家庭に生まれる率は以前よりも高くなっており、高学歴女性を母親に持つ子どもと、低学歴女性を母親に持つ子どもとの環境格差が生まれていると言われています。

ある調査研究によれば、高学歴の母親は情操教育に熱心であり、わが子への読み聞かせにより多くの時間をかけ、一緒にテレビを見る時間はより少ないことがわかりました。

こういった要素がはるかに豊かな子育て環境をもたらし、それが子どもの語彙や知的能力に劇的な違いをもたらしているのです。

病気やアルコール・麻薬の乱用にも幼児期の家庭の影響がある

幼児期の環境は、大人になってからも尾を引いてしまいます。
ロバート・アンダ、ヴィンセント・フェリッティらの研究チームは、家庭内暴力や虐待、ネグレクトといった幼児期の悲惨な体験が成人後にもたらす影響について調査しました。

その結果、子ども時代のそうした体験が、成人してからの病気や医療費の多さ、うつ病の増加、アルコールや麻薬の乱用、労働能力や社会的機能の貧しさ、能力的な障害、次世代の能力的欠陥などと相関関係があるとわかりました。

この調査結果は発達心理学の分野の膨大な研究によって裏付けられ、神経学的にも筋が通っている内容です。幼い頃にある特定の入力(インプット)が欠けていると、そのインプットに関連する情報を感じ、気づき、理解し、判断し、それに従って行動するという脳のシステムの発達に異常が生じるのです。

子どもの語彙数は親の語彙数に比例する

ベティ・ハートとトッド・リスレーの研究では、「専門的職業の家庭で育つ子どもは平均して1時間に2,153語の言葉を耳にするが、単純労働者の家庭では1,251語、生活保護受給世帯では616語だ」としました。

これに対応して、3歳児の語彙は専門的職業の家庭では1,100語、単純労働者の家庭では750語、生活保護受給世帯では500語でした。
つまりより多くの言葉をかけて育てることで、子供の語彙を伸ばすことができるということです。

語彙数の差は、年齢が進み語彙が増えるほど広がっていく傾向にあります。
上記のように3歳時では倍程度の差だった語彙数が、ある調査結果によると20歳の時点では、男子の最小が15,800語、最大が86,600語、女子の最小が19,700語、最大が71,300語と3~5倍にも拡がっていました。

必ずしも裕福でないとこのような環境を作ることができないというわけではありません。子どもに対して、より多くの言葉をかけて育ててあげたいですね。