幼児教育お役立ち情報

2022/06/10

DMNによるエネルギー消費を抑えるマインドフルネス

DMNによるエネルギー消費を抑える手段

前回は脳のDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)が常にエネルギーを消費しており、ぼーっとしていても脳は休まらないということを解説させていただきました。

ではどのようにすれば脳を休めることができるのでしょうか?

マサチューセッツ医科大学の分子生物学者、ジョン・カバット・ジンが、座禅・瞑想がうつ病を始めとする心の病に効果があるという事を実証しました。

瞑想が心の病に効果

真摯(しんし)な瞑想実践者でもあったカバット・ジンは、仏教の文脈の中にあった瞑想のテクニックだけを分離し、「マインドフルネス・ストレス低減法」(MBSR)という8週間のプログラムにまとめました。

そして1979年から慢性的な痛みやストレスを抱える患者に適用を始め、2011年までに1万9000人以上の患者の実証データにより効果が認められました。

世界がこの事実に注目し、ここ10年ほどで瞑想を脳科学の表舞台で扱う研究が飛躍的に進み、最新の発達障碍児の治療法にも瞑想が取り入れられ始めています。

 

マインドフルネスが効果を発揮する理由

マインドフルネスや座禅で脳波を下げることにより脳が活性化されると心を強くし免疫力を向上させ、記憶力や仕事の効率アップにつながります。

DMNは何もしていないときに働くネットワークなので、ぼんやりと過去のことを思いだしたり、未来のことを想像したりすることに関わっています。

いわばこの脳のアイドリング時間のおかげで、過去の整理をし、未来の予測をすることができるようになるのですが、アイドリング時間が過剰になると、うつうつとしたり、不安に捉われたりすることが最近の研究で分かってきました。

瞑想を行うと、感情や記憶に関わる領域と、DMNとの関係性が低下していく傾向があることが分かってきたのです。

うつ病や不安神経症では、過去の嫌な経験や将来の不安が必要以上に反すうされます。

しかし、感情や記憶に関わる領域とDMNとの間の関係性が低下していけば、脳が嫌な経験を反すうしにくくなり、それらが投影する将来の不安からも解放されます。

脳エネルギーを「今この瞬間」に使う

一日の脳のエネルギーが過去の後悔や将来の心配で消費されてしまうと、新たに何かを生み出すことができる「今この瞬間」に使用するエネルギーがなくなってしまうことになります。

今この瞬間の幸せを感じる時間が無くなってしまうというわけなのです。

日頃から脳波を下げる習慣を心がけ、DMNにエネルギーを奪われないようにしましょう。

脳波を下げる一番効果的な方法は、呼吸法やイメージトレーニングです。

ぜひ、ご家庭の中でも自律訓練やイメージトレーニングを日々の生活の中に取り入れていってください。