コラム 大坪信之のワンポイント徳育アドバイス

2019/04/2068 日本人はネオテニー度が高いから脳が成熟する

子どもの状態を保ったまま大人になる、ネオテニー(幼形成熟)という生物現象があります。
身近な例ではイヌがそうです。
オオカミの子どもの形と性質を保ったまま、大人に進化した動物がイヌだということです。

知育を考える際には、ネオテニーを考慮する必要があります。
というのも私たちヒトも、実はネオテニーによって進化してきたからなのです。

ネオテニーというのは、幼少期が長くなり、かつ、大人になっても未熟だということです。
未熟化というのは一見、退化のように思えるかもしれませんが、そんなことはありません。

特に脳の場合、未熟ということは、様々な知識や経験を柔軟に吸収・学習できることを意味しますよね。

私たち日本人を含むモンゴロイドは、ネオテニー度が最も進んでいます
日本人の頭が大きい、顔が平べったい、体毛が薄い、肌がすべすべしている、手足が短い点は、まさにネオテニーの特徴です。

日本人は、幼少期が比較的長く成人しても未熟である傾向が強いので、脳としては成長する時間が長くなり、より進化して成熟しているということになるわけです。

サルの幼児期が延長され、胎児のまま一生を終えるような生き物が、人類だと言うのです。
そして、幼児期は知能が発達する時期ですから、幼児期が延長されたことにより、人間は今の知能を得ることができたと言うのです。

モンゴロイドとは、日本人のように赤ちゃんのときにおしりの青さが残っている人種のことです。
白人や黒人も胎児期には、おしりにあざがありますが、生まれてくる前に無くなってしまいます。

日本人は、そのあざが7~8歳くらいまで残りますね。
人類の中でもさらに幼児期が延長されているのです。

そして、そのモンゴロイドが最もネオテニー化が進んでおり、知的能力が大きくなる可能性があるとされているのです。

日本人が“禅”や“茶道”、“華道”といった精神的な世界観を持っていることも脳の状態から説明がつきます

モンゴロイドは、幼児期が延長されているため、論理脳が感性脳にふたをしてしまう前に、両方をバランスよく使えるような精神的な人間性能力が発達する期間が残されているのです。

最近、様々な分野において、今までになかった不祥事や問題が発生していますね。
それと同時に、日本人が誇りや自信を失ってきているように思われます。

産業界における学校教育に対する意識調査の結果からも、問題点の第一位として「人間性(道徳)教育の不足」が約7割を占めました。

もともと日本人は人間性の高い文化を持っており、明治時代の小学校教育は、授業時間の約3割が人間性教育だったそうです。

さらに人間性を高め、晴れ晴れとした誇りを持つため、人間学を学びましょう。