2019/07/20 71 乳幼児期は人格の基礎作り期
児童精神科医である佐々木正美先生は、乳幼児期は人格の基礎がつくられる時だと主張されています。
育児のスタート地点である乳幼児期は、その人間の将来を大きく左右する特別な時期だというのです。
もちろん、最初の段階で失敗をしてしまったからといって、人格の全てが台無しになってしまうというわけではありません。
しかし、佐々木先生も唱えられているように、何事においても基礎というものはとても大切です。
乳幼児期の教育で、徳育の基礎をしっかりと整えておくことで、その後の成長につれても、心の豊かさの大木が、強く根を張りやすくなるのです。
また、富山短期大学幼児教育学科の石動瑞代先生は、乳幼児期には乳幼児の発達の特徴をふまえて関わりを持っていくことが大切であると述べられています。
それでは、乳幼児期の発達の特徴とはどんなものなのでしょうか?
石動先生は、以下の五点を乳幼児期の発達の特徴として挙げられています。
・能動的な存在である
・日常生活の中で成長していく
・当たり前に思うことが当たり前でない
・一人一人の育ちの道筋がある
・応答的な他者の存在が不可欠である
石動先生は、お母さんは子どものもつ能力を最大限に発揮できるように願いながら、育ちの道筋を一緒に作っている存在であると唱えられています。
だからこそ、子どもの姿に応じた働きかけが大切になっていくのですね!
それでは、人格の「基礎」づくりの大切な期間である乳幼児期には、子どもとの間にどのような関わりを育んでいけば良いのでしょうか?
佐々木正美先生は、乳幼児期の育児において重要なことは、子どもの要求にできるだけこたえてあげることだと述べられています。
いらだったり叱ったり、ご褒美や罰を与えることは、乳幼児期において良くないことだと佐々木先生は唱えています。
子どもが悪いことをしたときには、叩いたり怒鳴ったりするよりも、どうしてそれがいけないのかを穏やかに伝えてあげましょう。
逆に良いことをしたときには、物を買い与えてやるよりも、たくさん褒めてあげましょう。
親が真剣に向き合って、たくさんの愛情を与えてあげること。
これが乳幼児期の人格の「基礎」づくりにおいて最も大切なことなのですね!
乳幼児期の子どもとの向き合い方を、一度ゆっくり考えてみるのもいいかもしれませんね。