コラム 大坪信之のワンポイント徳育アドバイス

2018/11/2063 子どもの能力を開花させるための「無意識の意識化」とは

人間は皆「火事場の馬鹿力」で知られているように、普通では考えられないような力を持っています。

人間の腕の力を電気的に計ってみると、平均的な男性の最大筋力は700kgあるそうですが、実際に持ち上げられる平均は65.4kgです。

どうして、人間は100%の力を出せないかというと、心理的限界と呼ばれる「自分の力はここまでだ」という限界を、自分の無意識の中に作ってしまっているからです。

「火事場の馬鹿力」とは、危機的状況の中で、自分が無意識に作っていた心理的限界を忘れてしまい、それ以上の力が出てしまったという状態なのです。

車の下敷きになった子どもを救うために、車を持ち上げたお母さんの話や、火事の中からピアノを運び出したピアノ教師の話は、危機的状態の中で、心理的限界を忘れてしまったということですね。

例えば、皆さんも小学生の頃、跳び箱のこの段以上は無理だと思っていた時は跳べなかったのに、誰かが軽々と跳ぶと、無意識の心理的限界がなくなり、跳べるようになったというようなことがなかったでしょうか。

本当は跳ぶ力を持っているのに「この段は跳べるわけはない」と無意識が想像するので、普通の意識が跳ぼうといくらがんばっても、想像の力が勝ってしまうのです。

このように、「普通の意識」と「無意識」が違うことを考えても「無意識」が勝ってしまうのです。

あがらないようにしようと思えば思うほど、あがってしまう、という経験はありませんか?
これは「努力逆転の法則」と呼ばれます。

したがって、普通の意識と無意識が反対の方向を向いていると、「努力すればするほど逆の結果になってしまう」ということになります。

心理的限界をなくすためには、意識と無意識が同じ方向を向いている必要があるのです。

無意識を意識化するために有効なのは、イメージトレーニングです。
イメージは、無意識を司っている脳の深い部分を使うので、無意識の意識化に有効だという訳なのです。

子どもが何か壁にぶつかっているとき、親子でイメージトレーニングを行い、子どもに無意識のコントロール方法を教えてはいかがでしょうか。