何もしないのに疲れてしまうDMNとは

何もしないのに疲れてしまうDMNとは
一日中とくに何もしなくても疲れていることがありませんか?実は脳は「何もしない」でも疲れていくことをご存知でしょうか。
「何もしないでぼーっとすること」が脳を休めることだと考える人が多いと思いますが、実際はどれだけ無為な時間を過ごしても、それだけでは脳は休まりません。
ぼーっとしている時間は脳科学的に見れば、むしろ、どんどんとエネルギーを消耗している可能性すらあります。
脳が消費するエネルギー量
人間の脳の重さは、体重の約2%と言われていますが、脳が消費するエネルギーは1日の全消費エネルギーの20%程度だと言われています。
脳は筋肉以上にエネルギーを使ってしまう身体の中で一番エネルギーを消費する器官なのです。
なぜ脳は、こんなにもたくさんのエネルギーを必要とするのかを米ワシントン大学セントルイス校の神経学者マーカス・レイクル教授がデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)のせいだという発見しました。
デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)とは
DMNとは、複数の脳部位から構成される脳回路です。この部分は、脳が意識的な反応をしていないときにも働くベースライン活動を担っています。
「自動車のアイドリングのようなもの」と説明すると、わかりやすいでしょうか。人間の脳は、つねにエンジンがかかりっぱなしで、とても落ち着きのない器官なのです。
びっくりするのは、このDMNのエネルギー消費量が、脳全体の消費エネルギーの60~80%を占めると言われていることです。
つまり、何かに集中することなく、ただぼーっとしているだけでも、このDMNが過剰に働いていれば、脳はどんどん燃料を消費するわけです。
ではどうすれば脳のエネルギー消費を抑え、脳を休めることができるのでしょうか?次回はその1つの解決策である、「マインドフルネス」について解説していきます。