幼児教育お役立ち情報

2016/04/22

やる気のある子どもに育つ秘訣は親にあり?

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早く○○しなさい!
子どもに対して日々注意をしてもなかなか言うことを聞いてもらえない、ということが起きてはいませんか?
勉強だけでなく、習い事やスポーツにおいても子どものやる気を引き出したり、持続させることは難しいものです。
では子どものやる気には、私たち親の言動がとても重要であるということはご存知でしょうか?

やる気というのはどのようにして育つのでしょうか?

こんな実験があります。
生まれたばかりの子猿を母猿から隔離し、”針金製の代理母”のもとで育てました。”針金製の代理母”に育てられた子猿は代理母になつこうともせず、仲間に全くとけ込むことができず協調性が無く、攻撃的で情緒不安定で、群れから追い出されてしまいます。

これは、母親とのコミュニケーションや、ぬくもり・スキンシップといった愛情欠如による影響だと考えられています。
さて、この”針金製の代理母”で育った子猿ですが、脳の解剖の結果、ある事実が判明しました。
脳内ホルモンのドーパミンを分泌する脳細胞が激減していたのです。

これが意味するところは、どういう事でしょう?

実は、この「ドーパミン」はとても重要な脳内物質で、人間らしさの脳とも呼ばれる「前頭連合野」をより豊かに発達させる、やる気快感ホルモンなどとも言われます。
前頭連合野とは、思考・学習・決断・創造力・意欲・人格といった人間ならではの高度な機能を担当しており、社会的知性(SQ)や感情的知性(EQ)、さらには自我といった知性の中でもより高度なものがここから生まれます。

このドーパミン分泌に一役買っているのが、お母さん(お父さん、養育者等)の愛情にほかなりません。

ドーパミンを溢れ出させるにはどうしたら良いのでしょうか?

愛してあげること、優しく抱きしめてあげること、幸せを感じることはもちろんですが、とくに達成感を与えてあげること、小さな成功体験を積みかさねること、ほめてあげること、興味や好奇心を持たせること、楽しく何かに集中すること等々、そんな時子どもの脳の奥底では、ドーパミンがあふれ出します。

脳の中でも特にこの前頭連合野こそ、最も高度な中枢機関であり、まさに人間らしさの脳と言うべき部分です。人の思慮深さ、決断力や実行力、やる気や集中力、優れた人間性や社会性、さらには創造力や学習力といった、将来のその子の人となりを形成する根源となる部分です。

また、このドーパミンが分泌されると脳は覚醒し快感を得るので、さらに分泌を促すようになります。「もっとうまくやりたい!」「もっとチャレンジしたい!」「もっとほめられたい!」等々さらに楽しくなってくるわけです。

そして、豊かに発達した脳(前頭連合野)は、さらに高度な達成感を求めて、より意欲的に働きかけるわけです。つまり、やる気を持った子どもへと育っていくわけです。

やる気スイッチをオフにしてしまう言葉

【脳科学者 茂木健一郎の言葉】
子どもの成績を上げたいなら「勉強しなさい」なんて言わないことだ。
一生持続する学びの力をつけさせるには「東大が目標」だなんて思ってはダメだ。

○○しなさい、もっと頑張りなさい、他の子はもっとできた、ダメな子ね・・・
ついつい言ってしまいがちなこのような言葉は、子どものやる気や自信を逆に削いでしまいます。

親の言動で子どものやる気は育つ

やる気スイッチをオフにしてしまう言葉があるように、親の言動一つでやる気スイッチをオンにすることができます。まずは愛情をたくさん伝えること。抱きしめるなどのスキンシップもその一つです。

そして遊びでも勉強でもスポーツでも、様々なことにチャレンジする機会を与え、その結果だけでなく過程までたくさん褒めてあげること。小さなことから大きなことまで様々な成功体験が子どもにとってもやる気につながります。

子どものやる気スイッチをオンにするのに必要な私たち親の言動、今日から見直していきたいですね。