幼児教育お役立ち情報

2016/06/10

幼児教育において重要な自尊感情とは

self-esteem

自尊感情という言葉を聞いたことがあるでしょうか。似た意味の言葉に自己肯定感というのもあります。

自尊感情が高い人とは、ちょっとやそっと失敗しただけでは揺るがない、強い自分をもっている人のことです。失敗にめげず、「自分ならできるはず」と、粘り強く取り組むことができる人のことです。

自尊感情を育てるには幼児期が最も重要であることはご存知ですか?

自尊感情が欠落する子育て

第二次世界大戦後のアメリカでは、多くの男性が戦死してしまい人手が足りなくなっていました。今まで家庭を守っていた女性たちも働かざるを得なくなり、子育て中のお母さんは育児に時間をかけることができなくなってしまったのです。

そこで、子育てを楽にする方法を唱えた「スポック博士の育児書」という本が大流行するようになりました。国を挙げて「スポック博士の育児書」を子育てのバイブルとして推奨したのです。「スポック博士の育児書」の中に書かれていたのは、次のような内容でした。

●子どもを自立させるために、幼い頃から一人部屋を与えましょう
●子どもを自立させるために、子どもが泣いてもそっとしておきましょう

この育児書を信じたアメリカの母親たちは、子どもの自立心が育つことを願って、赤ちゃんを子ども部屋に閉じ込めました。泣いても抱きしめてあげることはやめ、放っておくようになりました。

20年後、アメリカの犯罪率の爆発的な急増が社会問題となりました。その原因が「スポック博士の育児書」が唱える育児法で育てられた世代の子どもたちは、非常に自尊感情が低い状態にあるということがわかりました。

どんなに泣き叫んでも子ども部屋に一人で放っておかれた子どもたちは、自分の価値を信じることができず、結果彼らの心には自尊感情が育たなかったのです。

自尊感情の欠如は、社会問題を引き起こしてしまうほどに人間の心に大きな影響力を持っているのです。日本でも若者のニート問題が取り上げられていますが、その理由の一つに自尊感情の欠如があるそうです。

どうしたら自尊感情は育つのか?

コペルが提唱する子どもを育てる5つのポイント

1.無条件の愛を与え、子どもを尊重して育てる
2.子どもの中に必要な力があると信じる。
3.一緒に喜び、一緒に感動、暖かく見守る。
4.知育に偏らず、徳育(道徳面の教育)を大切にする。
5.あるがままの姿を認めて、比較をしない。

まずは子どものありのままの姿を認めてあげましょう。自尊感情が育ち、子ども自身が「自分は価値がある」「自分のことが好きだ」と思えるようになると、何事に対しても積極的にチャレンジし、様々な体験を積み重ねていく中でさらに自信がつき、将来の可能性がどんどん広がるのではないでしょうか。