コラム 大坪信之のワンポイント徳育アドバイス

2021/07/2094 小中学校での道徳の教科化の意義

小中学校の道徳が2018年度から順次教科に格上げされました。
道徳教育が具体的に進み始めています。

戦前は小学校で教える教科の中で、もっとも多くの時間が割かれていた修身という道徳を教える教科がありました。
大災害の時でも日本人がレジに並んで買い物をしている姿に世界は驚きますが、このモラルの高さには修身の影響が指摘されています。

教育は三世代かかると言いますが、まだ三世代目で残っているということなのです。
教育を壊すことも三世代かかります。
ちょうど、三世代目にあたる現代に道徳が教科化されたことは、ぎりぎり間に合ったということかもしれませんね。

かつて行われていた小学校の修身では、努力、友情、親孝行、公益、正直など、25項目に及ぶ徳目を日本人にとって馴染みの深い過去や現代の偉人や有名人の言葉やエピソードをふんだんに用いて教えていました。

徳目の一つ一つを知識教育で定義や理屈を教授するのではなく、実在した人々のエピソードから生の体験として、一人一人が感じ取って行くことが出来るような道徳教育をしていました。
修身で扱われた徳目には、下記の内容がありました。

修身の教科書で扱われた25の項目

家庭のしつけ、親孝行、家族・家庭、勤労・努力、勉学・研究、
創意・工夫、公益・奉仕、進取の気象、博愛・慈善、資質・倹約、
責任・職分、友情、信義・誠実、師弟、反省、
正直・至誠、克己・節制、謝恩、健康・養生、武士、
愛国心、人物・人格、公衆道徳、国旗と国家、国際協調

「勉学・研究」には、野口英世、本居宣長などのエピソード。
「親孝行」には、二宮金次郎のエピソード、「資質・倹約」には、徳川光圀などのエピソードというように教えられておりました。

これら徳目の一つ一つをご覧頂くとお分かりのように、時代や国、文化に縛られない普遍的な人の有り様を伝える内容がほとんどで、修身の教科書は、大人が読んでも感動するような偉人伝が満載されております。

コペルでも徳育を非常に重視しています。
徳育である修身が、世界から称賛される現代の日本のモラルの高さを支えているのであり、徳育こそが幼少期の教育のかなめと言えます。

教科化された道徳の時間が子どもたちの心に灯をともし、背筋が伸びるような時間になっていくことを祈っております。