2020/11/20 87 「CQ(好奇心または創造性指数)」とは?
東大は、18年度入試から、理Ⅲで面接試験を導入することを決定し、17年7月に面接実施方法を発表するとしております。
かつては事前に質問が決まっている面接試験を行っていたこともありましたが、今回は、自由面接にすることで、コミュニケーション能力の評価を目指すとのことです。
要するに、テスト勉強だけでは、人間関係構築力などを目指す「21世紀型スキル」は評価できないということですね!
そのような状況の中、CQ(curiosity/creativity quotient=好奇心または創造性指数)が注目を集めはじめています。
IQ(intelligence quotient=知能指数)とは、端的にいうと、情報処理の能力と答えに達するまでのスピードを示す、抽象的な数値ですよね。
もちろん、IQが日々の生活や仕事にとって、重要であることに違いはありません。
特に複雑なタスクにおいては、高いIQが必要とされます。
しかし、社会生活において、成功の鍵を握っているのは、実はIQに加えてCQ(curiosity/creativity quotient=好奇心または創造性指数)や EQ(emotional quotient=感情指数/心の知能指数)、その3つのバランス「ICE」なのだと、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの経営心理学の教授を務めるトマス・チャモロ=プレミュジック博士は言います。
プレミュジック博士によると、IQは短期間に多くの情報を処理することを可能にし、EQは感情をコントロールすることができるようになり、CQは総合的な知識とリスクを恐れない冒険心をもたらすといいます。
IQだけでは、不確かで複雑な局面を乗り越え柔軟な対応をすることは難しいが、それをEQとCQが補ってくれるのだそうです。
また、ICEのうち、どれかひとつが劣っている場合、ほかの部分でそれを埋め合わせることで、成功に近づくことが可能になるとのことです。
CQは、ハングリー精神につながります。
CQの高い人は、知識欲が旺盛で、新しいことに対して開かれています。
ルーティンにはすぐに飽きてしまう一方で、目新しいことにワクワクし、独自のアイデアが豊富で、慣習にとらわれない人も多い傾向があります。
CQはまだ、IQやEQほど研究がされていない新しい概念ですが、複雑な物事を管理する際に、2つの点で重要な役割を果たします。
第一に、CQの高い人は、概して曖昧さに対して寛容で、複雑な状況におけるニュアンスを汲み取る能力に長けています。
第二に、CQの高い人は教育や知識獲得に対する投資を惜しまない傾向があり、蓄積された知識と経験は、複雑な問題に対する簡潔な答えを導き出しやすくなります。
知能はもちろん重要ですが、ICEをバランスよく伸ばしていくことを意識することが大切です。
問題に対して即座に正解を答える能力は、人工知能に敵いません。
しかし、人工知能はあくまで指示をこなす役目ですよね。
人間は“○○をやりたい”と指示する役目が、今後の役割となっていきます。
そのためにはイメージ力、新しいことを考える力が、人間として、どうしても必要になります。
一つのことを最短で答える能力であるIQから、一つのことからたくさんのことを連想する創造力であるCQの養成へ、教育もシフトしていくということですね!
CQを育ててあげましょう。