コラム 大坪信之のワンポイント徳育アドバイス

2020/10/2086 「SQ(社会的指数)」を高める子どもとのかかわり方

SQ(社会的指数)」という言葉を知っていますか?

「IQ(Intelligence Quotient:知能指数)」という概念は、今やとても一般的になりました。

この言葉に対して多く語られるのが、「EQ(Emotional Quotient:感情指数)」や「SQ(Social Quotient:社会的指数)」などの概念です。

EQとは、自分や他者の感情を感じたり、気持ちをコントロールしたりする心の知能のことで、SQとは、社会や人とのかかわりを円滑に進めるコミュニケーション能力(社会性)のことです。

どんなに知能指数が高い人でも、他者と協力することができなければ、成し遂げられる仕事は限られてしまいます。

今回は、SQ(社会的指数)を高めるために、お父様・お母様に実践してほしい子どもとのかかわり方についてお話しします。

長い時間を共に過ごすご両親やご家族の子どもへの接し方は、SQの土台を醸成するうえでとても大きな影響をもたらします。

それでは、SQを高める子どもとの接し方には、どのようなポイントがあるのでしょうか?

子どものSQを高める第一のポイントは、笑顔で接する時間を長く持つことです。

赤ちゃんは、お父様・お母様から笑顔を学びます。

大好きなご両親から笑顔で微笑みかけられたとき、赤ちゃんの脳内では、同じような表情を真似るように指令が出されるといわれています。

このミラーリングによって、子どもは初めての共感を学び、お友達や社会とのかかわりの中でも、心地よい共感を求めるようになります。

反対に、ご両親がいつも怒りや悲しみに沈んだ顔をしていると、子どもの心にも怒りや悲しみの感覚が刻まれます。

怒りっぽい・悲しみやすい傾向は、社会と円滑な関係を築くうえではマイナスの影響をもたらすかもしれません。

子どものSQを高める第二のポイントは、子ども、そして自分自身を含めた家族の気持ちを大切にすることです。

子どもの気持ちに対しては、子どもを愛するご両親であればいつも気にしているかもしれませんが、自分自身や子ども以外の家族の気持ちについては鈍感になることがあります。

しかし、誰かのために自分の気持ちを押し殺す必要はありません。

家族も自分を含めたそれぞれの気持ちを尊重しなくてはならないのです。

子どもは、大好きなお父様・お母様が、自分自身や他者の気持ちを大切に取り扱う姿を見ながら、他者や社会とのかかわり方を学んでいくことでしょう。

子どものSQを高める第三のポイントは、ありのままの姿を認めて愛してあげることです。

米国の心理学者であるメアリー・エインスワースは、1982年に「心の安全基地」という概念を提唱しました。

これは、子どもが「両親の近くにいれば安心であり、いつでも温かく迎えてもらえる(=安全基地がある)」と実感することで、外の世界を元気に冒険することができるという考え方のことです。

子どもが自信を持って新しい世界を冒険できるように、子どもの中に必要な能力があることを信じて、無条件の愛を注ぎましょう

一緒に喜び、一緒に感動して、太陽のように暖かく見守ってあげましょう!

そうすることで、子どもは社会の中へと元気に踏み出すことができるようになるのです。