コラム 大坪信之のワンポイント徳育アドバイス

2018/12/2064 ものごとを複数の視点から考える「サイコロ思考トレーニング」とは

人間は皆、自分特有の”脳のくせ”を持っています。

例えば、ある事に対していつもすごく腹が立つとしたら、その「ある事」に対していつも1つの「ものの見方」しかしていない可能性があります。

私たちは、1つのできごとに対して、自分特有のワンパターンな「ものの見方」「考え方」をしてしまいがちなわけですが、実は、いろいろな「ものの見方」「考え方」があるはずなのです。

さて、ここでサイコロが登場するのですが、サイコロには6つの面がありますね。
1つのできごとに対して、6つ以上の「ものの見方」で考えてみることを「サイコロ思考」と言います

そうすると、自分特有の”脳のくせ”であるワンパターンな思考の枠が外れて、柔軟な考え方ができるようになります。

何か問題を感じたときは、とにかく思いつくままに、その他の5通りの考え方を書き出してみてください。
ものの見方を変えると、できごとのすばらしい点が見つかるかもしれません。

5つの考え方の中には、「役に立たない考え方」や「非現実的な考え方」「ナンセンスな考え方」があってもOKです。
いろいろ挙げてみたなかで、1つでも役に立つ考え方が見つかれば大成功です!

1つ例をご紹介します。
子どもが不登校になってしまって、そのことを悩んでいるお母さんのケースです。

その人は、次のように考えてしまいました。
「学校に行けないことは致命的なことだ。あの子は落伍者になったのだ。お先真っ暗だ」

確かに「不登校になることの素晴らしい点など見つからない」と思ってしまいますよね!
他に、どんな考え方ができるでしょうか?

・これは、子育てのやり方を振り返るよい機会だ。今のうちに気づいて軌道修正できるほうがいい。

・うちの子は意思表示ができる子なんだ。

・私のことを親として信頼してくれているから、「学校へ行きたくない」と本音を言ってくれるんだ。この機会に、親子の信頼関係をさらに深めていこう。

感受性が豊かな証拠なのかもしれないな。これは、あの子の持ち味かもしれない。

夫婦間のコミュニケーションをしっかり取ろう。これは、家族が家族らしくなっていくチャンスかもしれない。

他にもいろいろな考え方ができそうですね。

また、役に立つ考え方が見つからない場合でも、いつもの自分の”脳のくせ”を超えた、新たな全脳を活用した考え方を探そうとすること自体に、思考を柔軟にする全脳トレーニング効果があるのです。

悩んでいることや、引っかかっていること、執着していること等があったら、ぜひお子様と一緒にサイコロ思考の全脳トレーニングを試してみて下さいね!