2019/10/20 74 「愛情ホルモン」オキシトシンを活かした子育てとは?
「愛情ホルモン」と呼ばれる神経伝達物質があります。それは、オキシトシンです。
「幸せホルモン」や「思いやりホルモン」「絆ホルモン」などと呼ばれることもあります。
このオキシトシンは、思いやりや愛情といった心の機能が健やかに発育するために、とても大切な役割を担っています。
オキシトシンが分泌されると、気持ちに次のような変化が生じます。
・幸せを感じる
・愛情を感じる
・好奇心が強まる
・ストレスが和らぐ
・周囲の人を信頼できる
・記憶力が活性化する
「愛情ホルモン」「幸せホルモン」といった呼び名から、オキシトシンのおかげで温かい気持ちになれることは想像がつきますよね。
しかし、好奇心が強まったり、記憶力が活性化したりすることは、少々意外な効果だったのではないでしょうか。
記憶力が高まるのは、オキシトシンのリラックス効果によって心身が和らぎ、目の前のことに集中できるようになるからです。
オキシトシンは、気持ちを安定させるセロトニンや「やる気ホルモン」であるドーパミンの量を調整する役割も担っているので、学習意欲や好奇心の向上にもつながるというわけです。
それでは、オキシトシンの分泌を促すためには、どのように子どもと接すればよいのでしょうか?
オキシトシンを分泌させる一番の方法は、大好きな人とスキンシップをとることです。
あなたが幼いころ、大好きなお父さんやお母さんに抱きしめてもらったときに、優しい温かい気持ちになったことを覚えているでしょうか。
まさにそのとき、オキシトシンが分泌されていたのです。
赤ちゃんが、大好きなお父さんやお母さんとスキンシップをとっているときには、脳内でオキシトシンが分泌されています。
同時に、大好きな赤ちゃんとスキンシップをとっているお父さんとお母さんの脳内にも、オキシトシンは分泌されているのです。
つまり、親子で触れ合ったり抱き合ったりすることで、温かく幸せな気持ちを交換できるということです。
オキシトシンの分泌が足りていない子どもは、イライラしやすくなったり、疲れがとれにくくなったりする傾向があります。
セロトニンやドーパミンの分泌量を正常に調整することができなくなるため、意欲の低下や気分の落ち込みの原因にもなり得るでしょう。
抱きしめたり一緒に体を動かしたりと、お父さん・お母さんと子どもが十分なスキンシップを図ることで、子どもの心の中には愛情や幸福感が生まれます。
「大好きなお父さん・お母さんに愛されている」という実感から、子どもは家庭を安全基地として認識することができるので、勇気を持って社会に踏み出すことができるようになるということですね!
愛情に満ちたスキンシップと言葉かけで、幸せな子どもを育てましょう!