2020/06/20 82 松下幸之助に学ぶ「やる気脳」の育て方とは?
松下幸之助さんは、昨日入ってきた新入社員に対しても、まず、「この人は人間としての無限の可能性を持っている。無限の価値を持っている」という見方で接していたそうです。
松下さんは、相手のことを「すばらしい存在、偉大な力を持った人」と見ることが大切だとおっしゃっていました。
これは子育てにも通じることですね。
子育ての秘訣は、わが子を「すばらしい存在、偉大な力を持った人」と信頼することです。
ところが最近、信頼の反対といえる「過干渉」という言葉を多く耳にするようになりました。
「過干渉」とは、親が子どもを一人の信頼できる人間として認めようとせず、子どもの意思を否定ばかりし、あやつり人形のように、何もかも親の意のままにコントロールしてしまうことです。
たとえば、子どもが浜辺で砂遊びをしているとします。
子どもはただ砂遊びしていることが楽しいだけです。
でも、つい心配になって「そこだと潮が満ちてくるから、もっとこっちで作りなさい。」などと言いたくなることがありますよね。
「本格的な過干渉」の状態になると、親が「もっとこうした方がいいお城になるよ。」と、お城を子どもから取り上げて、立派な作品を作ってしまったりします。
そんなふうに育ってくると、つまりは、自分の意志よりも親の意志が優先されてしまうようになってしまうと、子どもは自分の気持ちを表現したり感じたりすることが苦手になります。
そうなると、本当の自分の気持ちがどうかもわからなくなって、親の意志に沿った「いい子」を演じるようになってしまいます。
いわゆる「いい子シンドローム」の状態です。
そして、いつかどうしても「いい子」が演じられなくなったとき、「いい子だったのに・・・」と、周りから言われるような問題行動を起こしたりしてしまいます。
では、「本当のいい子」に育てるためには、どうすればいいのでしょうか。
それは、子どもに「自分はすごいんだ!」と自信を持たせてあげることがスタートです。
先ほどの砂遊びのケースでも「がんばって作ってるね!」「すごいお城ができたね!」「波が来てもすぐには壊れなかったね!」「すごいすごい!」などと、子どもが自信や達成感を感じることができるような言葉はいくらでもあります。
子どもが自信を持つことができれば、お城が波で壊れてしまったとしても「次はもっとよく考えてさらにすごいお城を造ろう!」と、やる気に転じることもできるでしょう。
そうです。
やる気というのはスタートではなく、チャレンジした結果、もっと達成感を味わいたいと脳が感じること。
これが「やる気」の正体なのですね!
「すごい」とほめてあげるために、ほかの周りの人にも言ってもらえれば、さらに効果的です。
どうか、子どもを暖かく見守りながら、一緒に喜び、一緒に感動してあげて「自分って本当はすごいんだ!」と感じさせてあげましょう。