コラム 大坪信之のワンポイント徳育アドバイス

2022/04/20読書は最高の脳トレーニング

読書は、ただ勉強になるというだけでなく、脳科学としても非常に効率の良いトレーニングだと言われています。

例えば、短期記憶をつかさどる「海馬」。また、扁桃体や前頭葉のような、感情であったり意欲であったりをつかさどる器官も使います。視覚はもちろん使いますし、右脳も活用しています。

専門的な話だと、機能的磁気共鳴画像法を用いた神経科学的研究によれば、単語を読む時には少なくとも9つの部位が比較的安定して活動すると報告されています。

つまり、かなりの脳の器官を動かしているのが読書なのですね!

 

 

最近ではyoutubeなど動画を見ている子どもも増えていると思いますが、ディスプレイからの刺激では脳は映像を作り出す必要がありませんので、大きく働く必要はありません

漫画でさえ静止画から動画を作るために脳はディスプレイを見ているときよりもはるかに働いています。

また、児童期の読書からのメリットとして
(1)集中力の持続時間が長くなる
(2)物語の理解に必要なスキルが得られる
(3)読書を通じて異文化への理解が深まり、共感する能力が育つ
があります。

もちろん、世の中のことを知るという効果もあります。

 

 

さらに、読書の価値、という点では、下記のようなものが挙げられています。

1.大脳の活性化
オックスフォード大学の神経学の名誉教授であるJohn Stein氏は「読書は大脳のトレーニングだ」と主張しています。

実際に読書中の脳をMRIでスキャンしたそうですが、本の中の景色や音、においや味を想像しただけで、大脳のそれぞれをつかさどる領域が活性化した、ということです。

2.ストレスを軽減する
イギリスのサセックス大学の研究によると、わずか6分間の読書によりストレスが60%以上軽減されることがわかっているそうです。

これは音楽鑑賞や散歩によるストレス軽減をはるかにしのぐレベルです。

読書家と言われる人たちは、情緒が安定している人が多い気がしますがそのせいかもしれませんね。

3.コミュニケーション力を高める
読書であってもイメージを膨らませることで、実際に体験したかのように感じることができます。ロジカルな思考や感情表現、言葉の表現など、自分の中に参考材料がインプットされます。

4.多角的な思考が身に付く
本は、その著者ごとに表現の方法が違ったり、結論にアプローチする道筋が違ったり、はたまた切り口そのものが違ったりで、同じことを説明するのにも、様々な視点が内包されています。

そのため、多読をしていくことで、多くの角度から内容を捉える事ができるようになります。

そうすると、「ああ、この本はこう書いてあるけどこういうことが言いたいのね」という、本質を見極めるスキルが磨かれてきます。

 

 

スタンフォード大学の研究によると、文学作品の精読は、脳の複合的な認知能力のエクササイズになる、ということもあるそうです。

読書好きにしてあげること以上の子どもへのプレゼントはないかと思います。

ぜひ、読書を見直してみてください!