コラム 大坪信之のワンポイント徳育アドバイス

2022/01/20驚くべき潜在能力の目覚め「サヴァン症候群」とは

「サヴァン症候群」という言葉を知っていますか?サヴァンとは、発達障害、また知的障害を抱える人々の中で、特定の分野について優れた能力を発揮する人のことです。

サヴァン症候群の顕著な例として、膨大な数の数字を瞬時に暗記することができる、一瞬見ただけの写真を細部まで書き起こすことができる、並外れた計算をすることができる、語学の天才で数か国語を自由に操ることができる、などの驚くような能力が報告されています。

自閉症の人のうち、約10人に1人がサヴァン症候群だと言われています。

もちろんサヴァン症候群の人のすべてが、映画で取り上げられるような超人じみた能力を発揮しているわけではありません。

しかし多くの発達心理学者が、「天才児」と呼ばれる人々と自閉症の子ども、ならびにサヴァン症候群との潜在的な関係に大いに注目し、長年の研究を続けています。

サヴァン症候群は脳科学の分野でも大いに注目されており、サヴァン症候群に関する文献が多数提出される一方で、脳への刺激によりサヴァンの人々が有するような卓越した能力の再現を試みる研究もあります。

これらの研究はまだ実用には届きませんが、人間の脳が秘めた計り知れない力とサヴァン症候群の方々が遺した業績へのリスペクトの顕れであるとも考えられます。

彼らの能力には、私たちが日常生活を送るうえでいくつかの面に平均化して使っている脳の力を一点に集中させたとしたらこんなにも優れた能力を発揮することができるのだろうかと考えさせられます。

人間の持つ力、脳の持つ力の限りない地平を思わせられるのです。

サヴァンの人々の優れた能力の表れに、私たちの脳が持つ潜在的な能力の著しさを見出すことができます。

人間の脳が秘めている奥深い能力は、私たちには想像もできないような力を持っているのではないでしょうか。

知的障害や発達障害という個性を持つ人々が、社会の理解とサポートによって能力を発揮し、もっと自由に羽ばたくことができる未来を願っています!