コラム 大坪信之のワンポイント徳育アドバイス

2021/12/20リベラルアーツ教育が今必要とされている理由とは

リベラルアーツ教育」が昨今では特に必要な資質として注目され始めています。

リベラルアーツは「一般教養」と直訳されますが、一般教養といえば文学、歴史、哲学、音楽、科学などを含む、一見普段の生活には役に立たないような教育を指します。

今回はなぜ今このリベラルアーツが今必要と言われるようになってきているのか、お伝えしていきたいと思います。

2013年、320人の経営者に対して、成功に結びつく教育に関してウェブアンケートを実施しました。

すると80%もの経営者が「大学生活の中で科学などの専門分野のみならず、一般教養を幅広く身につけるべきだと思う」と答えました。

リベラルアーツとは、人間の思考の軸が根差す根本を養う教養です。

リベラルアーツがなぜ重要かを理解するためには「思考の軸」がなんであるかを理解する必要があります。思考の軸とは、決断と、その根拠を結ぶものです。

なにかを決断する際には、やるか否かを決めるための根拠が必要です。根拠という土台があってはじめて軸を持つことができるのです。

決断力がある人間は軸がしっかりしているとされます。実際にそうなのでしょう。

しかし一本しかなく、微動だにしない軸を持っているとしたら、それはただの頑固者ではないか、とも考えられます。

実は、根拠という土台がしっかりある限り、軸はいくつも持つことができるのです。

根拠とするものがないと人の意見に流されやすく、なにが正しいのか、なにをやるべきかを自身で決断できないのです。

「ぶれない人」はいくつもの軸から人の意見を聞き、それぞれの軸の観点から人の意見を精査できる能力があるのです。

様々な分野の教養がある人ほど、それだけ色々な根拠を基に思考の軸を持ち、他者がとてもできない判断や決断をすることができる、ということになります。

「21世紀型スキル」が求めている能力は、課題を自ら作ることができる能力です。

日本では、戦後は先進国に経済的に追いつくために国内市場の拡大やインフラ整備など、しなければいけないことが予め決まっていました。

しかし先進国となって以降は、この先の未来の手本がないのです。

自ら課題を見つけ、目標を設定しなければなりません。

課題を見つけるといっても、それはどこに落ちているのでしょうか?目標となる数値は誰が決めてくれるのでしょうか?

課題はどこにも落ちていないし、目標数値を決めてくれる人は誰もいません。

様々な学問や文献に触れ、分野がなんであれ意味を見出す普遍的な論理的思考がこれから必要となってきます。

このような普遍的な論理的思考を養うのに、リベラルアーツが必要とされているのですね。

子どもたちに様々な分野の教養を身につけてあげましょう!